2023.09.11

県が認定する”ふくい伝統的民家”のリノベーションを行いました。切妻屋根、正面の梁間桁が伝統的なデザインです。

格天井が立派な玄関空間。
もともとは土間に囲炉裏があったものを数十年前の改装で床にしたようです。

30年近く前に設備類の入れ替えを行っていたそうですが、設備の老朽化が進行していました。

生活様式の変化に伴って役割が減ってきた和室。
開かずの間になってしまっている家も多いのではないでしょうか。

二世帯住宅とする為、二階部分は壁以外の全てを解体しました。

階段を架け替えるため、既存の階段を丸ごと解体しました。

床板の傷みはそれほどありませんでしたが、この機会に床の下地、床板の全面交換をおこないました。

間取りの変更に伴い、トイレなどの水回り設備を全撤去しました。

解体後、耐震診断士が補強が必要な場所を確認し、適切に補強工事を行いました。

補強木材と補強金具を併用し、最大限強度を上げる工夫を行っています。

旧家の場合、床下の湿気対策は必須です。

土間シート施工後、更なる防湿性と、強度アップの為、コンクリートを施工、束交換、大引きは檜材に一新しました。

長い年月で家自体が歪んでいましたが、大工が水平をしっかり確認しながら、新築並みの下地工事を行いました。

新築同様の快適性を追求すべく、断熱材を天井、壁、間仕切り、床にと、隙間なく充填しました。

基礎が無く、土がむき出しだった床下にコンクリートを流し、下地をやり直すことで、床下の湿気対策で悩むことはなくなりました。

改装前の雰囲気を残すため、玄関の格天井は半分残し、階段スペースと上手くつなげています。

骨組みにまで解体した二階部分には若い世帯用のLDK を設けています。
明るい雰囲気で新築と見紛うばかりです。

玄関廻りのケヤキの桁材などは内装のアクセントとして残しつつも暖炉のある暖かいリビングを作りました。

壁付けキッチンから、現代の様式に合わせた対面キッチンとしました。
随所に見えるケヤキの柱が、温かみと重厚感を与えています。

家事動線を見直す中で、滅多に使わなかった和室部分をクローゼット・廊下とすることで、無駄のない間取りにしました。

玄関の無垢材の床板、正面の板襖などの重厚感がある場所は残しつつ、改装部分が違和感の無いようにつながっています。

漆塗りのケヤキの柱などは磨き上げてデザインとして生かしています。
設計図だけではわからない、現場での綿密な打ち合わせが、心地よい雰囲気づくりには欠かせません。

とても貴重なタモ材の玉杢(たまもく)カウンターを玄関に配置しました。
材木屋だからこそ、本物の木材をご提供できるのです。

二階には物干し空間を兼ねたサンルームを設けています。

玄関廻りには緑色の御影石の厚板を貼り、重厚感を出しています。本物の良さにこだわっています。

左官職人による技でボロボロだった腰壁も再生しました。

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